はっきり云おう。
私の作品創造は京劇に学んでいる。
「この世のものとも思えない絢爛な世界」を現出しようとしている。

私が京劇と出会ったのは子供の頃だった。出し物が何であったか?覚えていない。
やかましい音楽。(これが良いんだ・・ホント)
人類とは思えない歌声。
  (ヨーロッパ古典音楽に カウンター・テナー が有るが、叙情的に相通じる)
皆無に近い舞台装置の簡略さは場面転換を瞬時になす。
そして!そして!人間業とは思えない跳躍と回転のテクニック。
悔しいが、バレエ以上に滾るものを感じる!

70年代、文化大革命最中の中国に行った。
そこで出会った“革命現代京劇”にもまた魅了されてしまった
底抜けに明るく元気な世界は、どんなに落ち込んでいる時でも勇氣を奮い立たせてくれた。

もう一度云おう
私のバレエ作品の根底には京劇の心がある
「まさか、やらないだろう」と云う期待に反し、予期しない展開をもって観客を驚かし、
演じ手も、見ている者も裏切りの快感に陶酔する・・・トリスタン的“毒杯”をあおるのだ。

誰にでも理解できて、面白がってくれて、感動してくれて・・・・
劇場に足を運んだ人を「夢のやうな別世界」に連れて行くのが舞台人としての義務なのだ。


復活する伝統京劇「孫悟空」よりの試演 1977年 撮影:淺野 正

京劇とは?
読み方中国語:チン チュウ  日本語:キョウゲキ(明治の頃はケイゲキと云ったこともある)
英語:Beijing classical Chinese opera
   ペキン・オペラ マンダリン・オペラ チャイニーズ・クラシック・オペラ
簡単に解説すると中国の古典歌舞劇。
地方劇の一つだが、宮廷や国家の保護で国を代表する舞台芸術となった。
生い立ち1790年(乾隆55年)安徽省の地方劇を俳優高朗亭が、清の乾隆帝80歳の誕生祝いに
北京で披露し人気を得たのに始まる。
その後北京に定着し、洗練され、発展した。

京劇年表
 中国の治世京劇の出来事バレエなどの出来事
1790年乾隆帝 後に「京劇」となる南曲が北京に入城する。 
1832年道光帝  ラ・シルフィード 初演 トウ・シューズの登場
1840年  チヤイコフスキー生まれる
1894年光緒帝 梅 蘭芳 生まれる 
1900年  義和団事件 = 北清事変
1911年宣統帝 辛亥革命 翌年 清 滅亡 
1917年中華民国  ロシア革命 バレエ・リュス帰国せず
1919年  梅 蘭芳と京劇団、日本で公演
1928年 北京、北平と改称 京劇も平劇と呼ばれた 
1932年  日本、満州国を創る
1949年中華人民共和国 中華人民共和国成立 偉大な舞踊家“兄ぃ”生まれる (*_*;)\(-_-;)ベシ!!
1965年 11月 「文匯報」に「海瑞の免官を評す」が掲載 文化大革命始まる 
1976年 毛沢東死去 文化大革命終わる 


戯曲学院の舞台での公開レッスン 1977年 撮影:淺野 正

役柄について  バレエと比較して

役柄=キャラクター=は、行当(ハンダン)という。
行当は厳格で、登場人物は必ずどれかに当てはまる。
役者は自分に決められた行当を越えて他のキャラクターを演じる事は生涯無い。
行当(ハンダン) 簡介 解説
生 ション

男性
老生気品のある男性 ひげを付け、ひげの色で年齢を表す。レ・シルフィードの詩人もこれに当たる
武生立ち回りを專門とする男性 バレエではドン・キホーテのバジル とか、「海賊」のアリ
小生若い粋な男性 バレエでは王子役というところ
旦 タン 

女性
青衣
チン イ
貴族から民間人までの貞淑な女性 ジゼル オーロラ オデット ジュリエットなどが該当
貞淑な樣子を表す衣裳を青衣といい、語源はここから出た。
老旦老け役の女性 ジゼルのベルタなどが好例
花旦元気のいい女性 例えば「コッペリア」のスワニルダ
武旦立ち回りを專門とする女性 ドン・キホーテのキトリ
旦は、男性が女形(おやま)で演じることもあるが、少なくなった。
今では、女優が女性を演じる(ん??・・・ヘンだな)ことが普通である。
淨 ヂン 
本來の字はニスイ
花臉 ホワ リエン

男性
正淨正義の男 黒色系の隈取り(臉譜 リエンプゥ)をする。 理想の男性美を表す
ブルーバード や「海と真珠」の海などがこれに当たるか
副淨口語で、二花瞼(アル ホワ リエン)ともいう、くだけた役 
ロメオとジュリエットのマキューシュオなどが当てはまるかもしれない。
丑 チョウ

男性
 道化 顔の真ん中だけ白く塗り、面白いことをして主役を引き立たせる。
云うまでもなく「白鳥の湖」や「シンデレラ」の道化

  
教師の介添えによる武旦の宙返り稽古 戯曲学院にて  撮影:淺野 正



主な作品の非常に簡単な筋書き

京劇辞典

史上有名な京劇役者の簡単な紹介




 

 中央公論新社 中公叢書「京劇」の著者であられる
 加藤 徹 先生のサイトです。

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